対処すべき課題印刷をする

高齢化の進展及び医療技術の高度化は医療費の急増をもたらすことから、先進各国では医療費抑制政策が次々と打ち出されております。これらの医療制度改革に対応すべく、医療機関では低侵襲化治療による入院日数の短縮化、電子カルテ等情報システムの整備、医療機器購買システムの採用等による経営の効率化や経費削減が推し進められ、医療機関のコスト意識はより一層高まっております。また診断・検査機器の充実を図った高度医療機器導入による負担増が、かえって医療機関のコスト削減を迫っております。

医療機器業界におきましては、この影響を今後とも受け続け、国内外とも厳しい状況が続くものと考えられます。一方で感染症予防のための使い捨て化促進、ならびに新技術及び新製品出現による手術の適応拡大に伴う需要の拡大、さらに新興国市場においては、医療インフラの整備及び所得向上による需要の拡大も予想されます。

このような環境におきまして、当社グループは、今後も「世界一の品質」を経営の中核に据え、開発・生産・販売を行ってまいります。売上面については、①新興国のGDP増加、症例数増加に伴う医療機器分野での消耗品需要の増加、ならびに②先進国市場における術式の変化及び手術の適応拡大に伴う新たな医療機器へのニーズの増大をより先鋭な方法で捕捉する施策を実施してまいります。

新興国市場の当面のターゲットは、中国、インド、ASEANといったアジアの成長著しい巨大市場ですが、ベトナム販売子会社MANI MEDICAL HANOI CO., LTD.及び中国販売子会社 馬尼(北京)貿易有限公司による地域に根差した販売・マーケティング活動を推進することで、これまで獲得できていなかったセグメントの取り込みを実現すべく努力してまいります。なお、近時は同国市場で広まっていた偽ブランド品も減少傾向にあるなど、着実にその成果を上げております。今後は取扱製品を順次拡大し活動を本格化すると同時に、インド、ASEAN等へも積極的に展開してまいります。また、販売網の再編及びマーケティング力を強化することにより、さらに焦点の合ったユーザーニーズの把握を通じて、売上増加と利益拡大とを実現し、加えて品質の向上につなげていきたいと考えております。

一方、先進国市場向けの売上拡大については、ドイツの子会社SDGにおいても、販売・マーケティング活動を推進し、従来をはるかに上回る規模の新製品の開発・投入により実現してまいります。海外生産の拡大に伴い、従来生産業務に従事していた国内要員を、新製品の開発に充てることで、より一層の開発機能の強化を図り、海外拠点の技術開発部門においては、既存製品の品質研究を実施し、「世界一の品質」を揺るぎないものとするための体制構築を実施していく所存です。また、医師・歯科医師のニーズを汲み上げるマーケティング要員を増強し、医師密着型の製品開発を推進することで、より強固な研究開発体制を構築し、国内拠点の「知識・情報企業」化を加速してまいります。

また、開発には既存製品の品質向上、周辺製品のラインナップ充実といった比較的小型ではあるものの短期間で結果を出せる開発と、開発期間こそ長く、結果を出すのに長期間を要するものの当社取扱製品領域を質量ともに押し広げる新製品の開発とのバランスをとりながら取組んでまいります。こうした先進国市場での新製品の蓄積が、5年後、10年後の新興国市場での売上の増加を担保するために極めて重要であると考えております。

生産面については、国内に残っている生産機能の海外移管を進めると同時に、海外生産拠点においては、製品の工程改善や品質マネジメントシステムの定着により「世界一の品質」を揺るぎないものとすると同時に、更なる原価低減により、追加的な利益の捻出に努めてまいります。この追加的な利益により、増加する開発コストや新たなマーケティング戦略に要するコストを賄ってまいります。ベトナム生産拠点であるMANI HANOI CO.,LTD.は将来の受注増加に対応するため、フーエン工場の近隣に新工場を建設し、更なる生産体制の拡充や製品の安定供給を実現するとともに、生産設備の自動化・省人化を進めることで生産効率を改善し、直接出荷地域・製品の拡大により原価低減を図ってまいります。また、ベトナムへの生産の一極集中リスク対応として、ミャンマーのMANI YANGON LTD.及びラオスのMANI VIENTIANE SOLE.CO.,LTD.においても、相応規模への増強を図ってまいります。

一方、海外でのオペレーションの拡大に伴い、海外拠点におけるガバナンスや内部統制の強化、ひいてはグループ内のコミュニケーションの活性化を通じたグループとしての企業文化の共有・浸透も優先的な課題として認識し、積極的に取組んでまいる所存です。