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有価証券報告書に記載した事業の状況、経営者が連結会社の財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年11月22日)現在において判断したものであります。
当社グループが為替リスクを負っている一部の外貨建て取引における影響のほか、円建て取引においても価格引き下げ要求等、間接的な影響を受ける可能性があります。また、海外子会社への生産移管により、外貨建てによる製品仕入等を行っているため、予想外の為替変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、海外子会社の現地通貨建て財務諸表を連結財務諸表作成等のために円換算しております。従って、為替レートの変動により換算に適用するレートが変動し、円換算後の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの海外売上比率は高く、また、売上の多通貨化を推進する意図から外貨取引を増加させておりますが、海外取引においても一部円建てで販売することで為替変動の影響を回避しております。さらに為替感応度分析を行うことで業績に与える影響を把握するとともに、リスクヘッジの基本方針及び手続等を定めることで、リスクが顕在化した際に迅速に意思決定できる体制を整えております。
当社グループの属する医療機器事業は、診療報酬、薬価基準及び特定保険医療材料の公定価格見直し(引き下げとなるケースが大半となっています。)が、概ね2年に1度実施されております。また、わが国にとどまらず、医療費抑制政策は世界的な傾向となっております。これに伴い、販売価格が想定を超えて下落し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
主力であるベトナム工場において、工程の自動化推進による継続的な製造コストの低減に加え、当社の微細加工技術を活かした高付加価値製品の販売により、これらの影響を最小化するよう努めております。
当社グループは、縫合針等の医科・歯科医療機器の製品化研究を行うとともに、それら全域にわたる研究開発を行っております。当社グループの研究開発は応用研究が中心となりますが、医療機器として、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律」(以下、「医薬品医療機器等法」という。)に基づく製造販売に係る許認可が必要となります。これらの過程で、有効性や安全性に関して予測されなかった問題が判明あるいは発生し、期待する時期に新製品を発売できない場合や、当社グループの実施した臨床試験で良い結果が得られ、承認等申請した場合であっても、安全性、製造設備の適格性等の様々な理由による承認の遅れや、承認が得られない、又は自主的に申請を取り下げる等の場合があります。さらに、海外においても当社製品の販売の前提として各国固有の品質基準や検査基準を個々に満たす必要があり、その対応には予想を上回る長期間を費やす場合があります。これらの場合に、当初想定した経営成績の達成時期が遅れる可能性、また、当社グループの研究開発費が、売上高の増加に比べ継続的に不相応な増加をすれば、収益性に影響を及ぼす可能性があります。
積極的な研究開発活動のもと、新製品及び新技術の開発を進めるとともに、設計開発部門にも専任の薬事業務担当者を設置し、薬事及び品質管理体制の拡充を図っております。
また、開発マーケティングを強化し、開発テーマの選択と集中を図ることで、開発リソースの有効活用に努めております。
当社は、国内において「医薬品医療機器等法」及び関連法規の規制を受けており、各事業活動の遂行に際して以下のとおり許認可を受けております。これらの許認可を受けるための関連法規及び諸条件の遵守に努めており、現時点では、当該許認可が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかし、法令違反等によりその許認可が取り消された場合には、規制の対象となる製品の回収、または製造並びに販売を中止することを求められる可能性があり、これらにより当社の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は、「医薬品医療機器等法」及び関連法規等に基づく許可を受けて医療機器の製造・販売を行っております。今後の関連法規改正等により当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
一方、海外においても欧米諸国の法規制だけでなく、中国、東南アジア諸国の法規制も近年厳しくなっており、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
グローバルに事業を展開するため、製造及び販売先国の関連法規の遵守、規格への適合を図るとともに、品質マネジメントシステム構築と継続的改善を図っております。
また、内部監査等を通じて、関連法規制への対応及び品質管理の状況等について、定期的な確認を実施しております。
許認可等の名称 | 所轄官庁等 | 有効期限 | 主な許認可等取り消し事由 | 備考 |
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第一種医療機器
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栃木県 |
2025年3月31日
(5年ごとの更新) |
「医薬品医療機器等法」その他薬事に関する法令もしくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、または役員等が欠格条項に該当したときは許可の取消 (「医薬品医療機器等法」第75条第1項) |
清原工場 |
医療機器製造業
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栃木県 |
2025年3月31日
(5年ごとの更新) |
「医薬品医療機器等法」その他薬事に関する法令もしくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、または役員等が欠格条項に該当したときは許可の取消 (「医薬品医療機器等法」第75条第1項) |
清原工場
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当社グループは、医療機器の設計、開発、製造段階で、製品の安全性の確保について全力を挙げて取り組んでおりますが、製造時に偶発的に不具合等が発生する可能性があります。
予期せぬ不具合やその疑いなどにより、万一大量に製品を回収することになった場合、回収費用等の発生や薬事規制上の対応、売上高の減少等の影響のみならず、当社に対する信用が低下し、企業価値が棄損する可能性があります。
医療機器QMS省令、体制省令、GVP省令や品質マネジメントシステムのISO規格などに基づき、厳しい品質管理・品質保証体制を整備し、製造段階のみならず販売後も品質のモニタリングを行っています。万一、不具合等が発生した際は、迅速に対応できる体制としております。
当社グループは、日本国内にスマートファクトリーを建設しており、ベトナムでは生産工場の増設を進めております。これらの設備投資に伴う投資資金を全て自己資本で調達する予定ですが、設備の建設、設置の過程で材料価格や人件費の高騰など投資資金が大幅に増加する可能性があります。また、当社グループの業績の伸びが想定を下回るあるいは業績が悪化することに伴い、余剰設備が発生する可能性があります。これら事態が発生した場合、当社グループの財政状態に著しい影響を及ぼす可能性があります。また、スマートファクトリーによる原価低減効果が期待以上に発現しなかった場合など、その結果によっては将来の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
スマートファクトリー建設の意思決定にあっては、事前に採算性評価(Net Present Value:正味現在価値を基準とした投資判断)を行っております。
また、想定されるリスクに対するモニタリングを実施しております。
当社グループは、ベトナム、ミャンマー、ラオス、中国、ドイツ、インド、マレーシアに子会社を保有しており、医療機器またはその部品の生産及び販売等を行っております。当社売上原価に占める各生産子会社への外注費の割合は3社合計で8割程度となっております。また、それらの国において、予期しない法律又は規制の変更や、政情不安・戦争・テロ・暴動及び天変地異などの不可抗力等による事故などが発生した場合は、製品供給が一時滞るといった可能性があり、取引の継続性が不安定になることを含め、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、中国では景気減速、国産優遇政策及び反腐敗キャンペーン等が発生しており、現時点で当社の製品販売に影響を及ぼしておりませんが、中長期的には影響を及ぼす可能性があります。
各国の法律又は規制の変更や政情等を定常的に確認し、有事の際には人命の安全確保を最優先し、適切な対策の実行に努めております。
また、製品の安定供給を実現するため、日本にスマートファクトリーを建設する計画を推進しております。
当社製品は微細なものが多く、それらを加工する加工機自体も小さいことから、電力消費及び輸送等において環境負荷は軽微となりますが、中長期的気候変動や異常気象による社会インフラ、気候変動関連政策変更、気候変動に対する金融市場の嗜好や社会通念の変化、技術革新等による低炭素社会への急速な移行等への対応を失敗することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
想定されるリスクについて、取締役会及び執行役会等に定期的に状況を報告するとともに、対応方針について意思決定を行い、リスク顕在化の影響の極小化を図っております。
サイバー攻撃、具体的には、マルウェア(不正かつ有害な動作を行う意図で作成された悪意あるソフトウエア)の感染、DDoS攻撃(分散型サービス妨害攻撃)及びビジネスメール詐欺等は、国内でも増加が見られ、金融業界全体でますます大きな脅威となっております。外部からの不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等により事業活動に影響が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、サイバー攻撃により、当社グループのサービスの停止や情報漏洩(顧客情報、当社グループの経営・業務運営上の情報等)、データの破壊・改ざん等が発生し、当社グループの業務運営及び業績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
情報セキュリティリスク管理に関する規則・ルールの制定に加え、不審なプログラムの挙動を判定し実行防止すEDR(Endpoint Detection and Response)システムを導入しております。並行して従業員のリテラシー向上に向けた対策として情報セキュリティ教育等を定期的に実施してまいります。
当社は、2011年3月に東日本大震災が発生した際、建物や製品在庫が破損するなどの被害を受けました。また、ベトナム工場では設備老朽化による火災の発生等のリスクがあります。このような災害が発生した場合には、製品供給が一時滞る可能性があり、取引の継続性が不安定になることを含め、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
災害の発生を防ぎ、万が一災害が生じた場合の被害を最小限に抑えるために、地震や火災を想定した防災訓練や定期的な設備点検等を実施しております。
また、国内拠点ではBCPを作成し、被災時でも早期に事業復旧できるよう準備を行っております。ベトナム工場では専門家による漏電・火災リスクの調査や対策の実施、老朽化した施設の改修を進めております。
感染症等の流行、またその感染症等の流行による政府等当局からの出勤禁止令及び病院での手術件数の減少等によっては、当社グループの事業活動及び収益等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの生産の約9割はベトナムの生産子会社となっており、ベトナムの生産子会社にて感染症が発生し、従業員が出勤停止となる場合、子会社の操業が停止するリスクがあります。このような状況になった場合、製品供給が一時滞る可能性があり、取引の継続性が不安定になることを含め、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
交替制在宅勤務(リモートワーク)及びフレックス勤務の導入を継続しております。
今後感染症が流行した場合、WEB会議の推奨、毎日の検温やマスク着用の徹底等、従業員及びその家族の健康維持・安全確保を最優先とし、感染予防対策の徹底に努めてまいります。
生産子会社で発生するリスクを回避するため、海外の生産拠点を分散し、生産能力が1か所に集中しない様に国内にスマートファクトリーの建設等を進めております。